貿易ニュース 12月2008年 

24/12/08 遺伝子組み換えカノーラの試験栽培を許可−西オーストラリア州
24/12/08 ベガ・チーズ社が生産量を拡大−ニューサウスウェールズ州
24/12/08 豪州最大の牛肉生産者が牧場4ヶ所を売却 − クイーンズランド州
24/12/08 今年度の第一次産品の輸出額を下方修正 − 豪資源経済局
24/12/08 大手小売業者リズ・クレイボーン社が豪産ウールをボイコット
17/12/08 豪産レイシが初めてニュージーランドに輸出
17/12/08 ヒラマサ養殖業者が管財人の管理下に − 西オーストラリア州
17/12/08 腎臓障害の原因となる疑いがある中国産ドッグフードをリコール
17/12/08 11月の日本向け豪産ラムの輸出量が急増
17/12/08 NZの11月の新車乗用車販売台数は前月比で34.5%減
17/12/08 タスマニア産ワサビをシドニーの有名日本食レストランが採用
10/12/08 オーストラリア産ワインの輸出量が減少
10/12/08 11月のオーストラリアの新車販売台数が前年同月比22.2%減
10/12/08 除虫菊をオーストラリア本土で初めて栽培 − ビクトリア州
10/12/08 豪産牛皮の価格が大幅に下落
10/12/08 豪産ワインにポートやシェリーなどの名前が使えなくなる
10/12/08 日本の輸入検疫が変更されチェリーの輸出増を期待−タスマニア州
03/12/08 ロブスターの生息数が激減 − 西オーストラリア州
03/12/08 南オーストラリア州政府は遺伝子組み換え作物に反対
03/12/08 サーモン養殖大手タサール社が豪州最大の孵化場を建設中
03/12/08 日本たばこの豪子会社が管財人の管理下に − クイーンズランド州
03/12/08 バクテリア菌による養殖ヒラマサへの被害 − 西オーストラリア州
03/12/08 日本の景気後退は豪産マンゴの輸出には問題なし

                                                                

12月24日2008年 遺伝子組み換えカノーラの試験栽培を許可−西オーストラリア州

  西オーストラリア州政府は、遺伝子組み換え操作をしたカノーラの解禁を発表した。 同州政府テリー・レッドマン農業相は、「遺伝子組み換え操作をしたカノーラの試験栽培が、2009年のシーズンに20戸の農家によって商業規模で行なわれる。 穀物集荷販売団体.(CBH: Co-operative Bulk Handling Ltd)が農家と協力して、輸送時や集荷場で遺伝子組み換え操作をしたカノーラとそうでない今までのカノーラとを区別するのを監視する。 また遺伝子組み換え食品のラベリングに関しての委員会を設立する。 次のステップはどこでこの試験栽培を行なうかである。 今回はあくまでもトラリアルであり、次の2つの事項について調べる必要がある。 西オーストラリア州での遺伝子組み換え操作をしたカノーラの影響を見極めること。 そして、流通過程でカノーラの分別が出来る能力があるかの検証である」と話した。 
  昨年、ニューサウスウェールズ州とビクトリア州は遺伝子組み換え操作をしたカノーラを解禁している。 (Source: ABC, 23/12/08 "WA permits GM canola trials")

12月24日2008年 ベガ・チーズ社が生産量を拡大−ニューサウスウェールズ州
12月24日2008年 豪州最大の牛肉生産者が牧場4ヶ所を売却 − クイーンズランド州
  オーストラリア最大の牛肉生産者のAustralian Agricultural Company(AACo)社は、クイーンズランド州に保有する牧場4ヶ所を来年第1四半期に総額約2億2,000万ドルで売却する交渉を行なっている。 これにより同社は負債の圧縮と事業の再投資を行なう。 
  日刊経済紙オーストラリア・ファインシャル・レビュー紙によると、売却されるのは、Wondoola, Dalgonally, Kalmeta, Canobieにある牧場で、4ヶ所合わせた総面積が90万ヘクタールとなり、価格と売却条件は現在交渉中である。 同社のスティーブン・トムスCEOは、「4ヶ所の土地と建物の価値は合計9,000万ドルから1億5,000万ドルとなり、現在飼育している牛を含めると2億2,000万ドル以上になる」としている。 (Source: Staock & Land, 18/12/08 "AACo in talks to sell four Qld stations")
12月24日2008年 今年度の第一次産品の輸出額を下方修正 − 豪資源経済局
  世界的な金融危機で、今年度のオーストラリア産第一次産品の輸出額の予測が、9月の予測より10%下方修正された。 しかし、この予測を発表したオーストラリア資源経済局(ABARE)は、豪ドル安によって、今年度の輸出額は2007/8年度より30%上回ると見ている。 今年度の第一次産品の輸出額予想は1,923.4億ドルで、9月の予想であった2,136.8億ドルより10%下方修正されたが、昨年度の1,477.2億ドルより30%増加する見込みである。 
  ABAREのフィリップ・グレイド局長は、「この2-3ヶ月間で多くの第一次産品の世界的な価格が下落した。 しかし、豪ドル安がこのまま続けば、第一次産品の輸出には貢献するだろう」と話した。 鉱物の輸出額が前年度より37%増えて1,591億ドル、農業関係の輸出額が同6.9%増えて293.8億ドルとなることが予想されている。 (Source: Australian, 15/12/08 "Global crisis cuts commodity forecasts: ABARE")
12月24日2008年 大手小売業者リズ・クレイボーン社が豪産ウールをボイコット

  世界的に有名な小売業者のリズ・クレイボーン(Liz Claiborne)社は、オーストラリア産メリノ・ウールのボイコットを決めた。 年間売り上げが45億USドル(76.4億豪ドル)で、ジューシー・クチュール (Juicy Couture)、ケイト・スペード(Kate Spade)、ラッキー・ブランド・ジーンズ(Lucky Brand Jeans)などのブランドを持つ同社は、オーストラリアの農家が羊に対して行なうミュールジングの処置に反対している。 
  同社のジェーン・ランデル副社長は、ミュールジングの反対活動を行なっている国際動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(People for the Ethical Treatment of Animals、PETA)」に同社の計画を記載した手紙を送ったことを明らかにした。 それによると、「リズ・クレイボーン(Liz Claiborne)社は、オーストラリア産ウールの不買を行なう。 我々はオーストラリアのウール生産者が行なっているミュールジングに反対しており、我々が現在購入しているメリノ種ウールを、オーストラリア産以外に変更することになった。 我々はオーストラリア産メリノ種ウールを我々のサプライ・チェーンから完全に外すことを約束し、近々にオーストラリア産ウールが店頭に並ばないことになる」としている。 
  オーストラリアのウール団体(Australian Wool Innovation)は、2010年までにミュールジングを廃止するとしているが、ウール生産者がこれを実行するかどうかは不透明である。 

 *ミュールシングというのは、羊の皮膚のしわが尿や水分を吸い、ハエが卵を産みつけたり、孵化したうじ虫が生きた羊に害を与えることを予防するために、尻尾と肛門のまわりの皮膚を鎮痛剤などは使わずに削ぎ切る作業である。 

(Source; Advertiser/Daily Telegraph, 17/12/08 "Retail giant bans Australian wool")

12月17日2008年 豪産レイシが初めてニュージーランドに輸出
  長年に及ぶ検疫問題の交渉の結果、オーストラリア産レイシ(ライチー)が初めてブリスベンからニュージーランドに輸出された。 レイシ生産者は2013年までに毎年200トンのレイシを輸出したいとしている。 レイシはニューサウスウェールズ州北部沿岸とクイーンズランド州中央部と北部で生産されている。 
  連邦政府のトニー・バーク農業相は、「地方の経済成長や雇用促進の為に、ラッド政権は引き続き、オーストラリアの農産物のための国際マーケットの開拓を行なっていく。 レイシ業界はすでに、オーストラリアの園芸産業に貢献しており年間4,500トン、金額にして1,600万ドルを生産している。 近年オーストラリア産レイシの輸出量は急増しており、オーストラリアで生産される約20%を輸出しており、輸出金額も320万ドルとなっている。 ニュージーランドへの輸出は、輸出前にオーストラリアでいくつかの検疫措置を行なうとした新しい規定の合意により許可された」と話した。 (Source: Stock & Land, 15/12/08 "First Australian lychees exported to New Zealand")
12月17日2008年 ヒラマサ養殖業者が管財人の管理下に − 西オーストラリア州
  西オーストラリア州のヒラマサ養殖業者Western Kingfish社が、Jurien Bayにある養殖場でのヒラマサの大量死と、資金調達の失敗により管財人の管理下に置かれた。 
  同社は今日、Ferrier Hodgson社のGarry Trevor氏, Andrew Saker氏、Martin Jones氏を管財人に指名し、「今回の管財人指名の決定は、Jurien Bayにある養殖場で大量のヒラマサが死に、最近の経済環境の厳しさで資金の調達がうまくいかなかったことが原因である」と話した。 先月同社は、Jurien Bayにある養殖場においてバクテリア菌の感染により、養殖中のヒラマサのうち約30%が死んだと発表している。 
  現在、管財人は同社の役員や管理職たちと会社の再建に向けたリストラを検討中で、同時に同社の資産の評価を行なっている。 (Source: WA Business News, 03/12/08 "Western Kingfish appoints administrators")
12月17日2008年 腎臓障害の原因となる疑いがある中国産ドッグフードをリコール
  オーストラリア国内で犬の腎臓障害が多数報告された後、中国製ドッグフードの輸入業者は該当する製品を自主的に回収している。 輸入業者のKraMar社は、オーストラリアでよく売れている犬のスナックのひとつである”Supa Naturals Chicken breast strips”を回収した。 同社の声明によると、「今回の回収は予防的な措置で、すべての製品に対し、バクテリアや海外で腎臓障害の原因となったメラニンの検査を行なっている」としている。 
  同社のブライアン・フォーチェCEOは、「当社の製品と腎臓障害との科学的な関連性は明らかになっていない。 今回の件は我々にとっても不可解であるが、動物の健康を考慮して回収の判断を行なった」と語った。 オーストラリア獣医協会(Australian Veterinary Association)は先に、犬の飼い主に対して、飼い犬に腎臓障害の症状が見られたらすぐに獣医に連絡するように注意を促している。 
  同協会のマーク・ローリー会長は、「腎臓に障害があると、犬は大量に水を飲み、尿を出す。 時には倦怠感や吐き気を催す。 これらの症状は有毒のメラニンの症状に良く似ている。 我々はこのドッグフードが関係していると思っている。 昨年、ヨーロッパやアメリカで、メラニンが混入した中国産のペットフードの大規模なリコールが行なわれた。 グルコースが尿に混じるファンコーニ症候群とよばれる症状も報告されており、血液のレベルは正常であるが、腎臓の障害が見受けられる」と話した。 (Source: ABC, 09/12/08 "KraMar pulls dog food after poison reports")
12月17日2008年 11月の日本向け豪産ラムの輸出量が急増
  11月の日本向けオーストラリア産ラムの輸出量が前年同月比で43%増えて904トンとなり、今年に入ってからの累計では、2007年の通年の輸出量を2%上回り8,677トンとなった。 11月の急増の原因は、おもにオーストラリアの冷凍ラムの供給が増えたためと、豪ドル安によるものである。 これにより日本の輸入業者は、ジンギスカン鍋用などのショルダー・カットやその他の部位の在庫を増やした。 
  11月の日本向けの冷凍ラムは前年同月比217%増の456トンとなり、冷蔵ラムは同8%増の448トンとなった。 また同月の冷凍マトンの日本への輸出は29%増えて969トンとなり、11月の日本向け羊肉の合計は1,874トンとなり、前年同月比で36%増加した。 (Source: MLA, 10/12/08 "Lamb exports to Japan increase")
12月17日2008年 NZの11月の新車乗用車販売台数は前月比で34.5%減

  ニュージーランドの自動車新車販売マーケットは、1990年代前半の輸入中古車の全盛期以来の落ち込みを11月に記録し、ニュージーランド経済の影響を受け始めた。 11月の新車乗用車の販売台数が4,898台となり、10月と比べて34.5%減り、前年同月比で27.1%の減少となった。 新車商用車の販売台数も1,639台で、10月と比べて12.0%減り、前年同月比で26.7%の減少となっている。 今年はあと12月を残すのみで、今年の通年の販売台数は2004年のレベルまで後退しそうである。 
  ニュージーランド自動車産業協会のペリー・ケアCEOは、「過去6年間の新車ブームは去った。 しかし、11月の新車乗用車の登録件数が前年同月比で27%減ったものの、輸入中古乗用車の登録件数は40%減少しており、輸入中古商用車の販売はわずかなものとなった。 ニュージーランドの自動車マーケットは、厳しい経済状況を反映して新しい局面に入っている。 しかし、この難局を凌げは、その後は良い時期が来るのは明らかである」と話す。 (Source: MIAN, 04/12/08 "New Vehicle Market Feels the Economic Winds")

12月17日2008年 タスマニア産ワサビをシドニーの有名日本食レストランが採用

  タスマニア産ワサビが、オーストラリアの有名レストランで使われ始めている。 Shima Wasabi グループのワサビ栽培者は、今年の7月から販売量を急速に伸ばしている。 彼らはわさびを飾り用の花から、葉、葉柄、地下茎にいたるまですべて販売している。 シドニーで有名な日本食レストランの「テツヤズ」からも注文を受けている。 
  Shima Wasabi のメリナ・パーカー氏は、「我々のグループのワサビが「テツヤズ」で使われることを光栄に思う。 私も2週間前にタスマニア州のホバートで「テツヤズ」のオーナーの和久田哲也氏に会い、ワサビのサンプルを渡した。 彼はすぐに気に入り、その場で葉柄と地下茎を注文し、葉の色も素晴らしいと絶賛した」と話した。 (Source: ABC, 11/12/08 "Hot demand for wasabi")

12月10日2008年 オーストラリア産ワインの輸出量が減少
  オーストラリア統計局(ABS)による最新の統計では、過去12ヶ月間のオーストラリア産ワインの輸出量が前年同期比で13.5%、輸出額が同15.1%減少したとしている。 
  このABSの統計は、今年10月までの過去12ヶ月間を調べたもので、輸出量が6億9,720万リットル、輸出額が25億ドルとなっている。 良いニュースとしては、今年の10月の輸出量が前年同月より0.1%増えて6,870万リットルとなり、輸出額も2億5,450万ドルとなっている。 しかし、10月の国内の販売は3,500万リットルと予想され、9月より0.2%減少している。 (Source: Stock & Land, 08/12/08 "Wine exports on the slide")
12月10日2008年 11月のオーストラリアの新車販売台数が前年同月比22.2%減
  世界的な金融危機により、オーストラリア経済も減速したことを反映し、11月の自動車新車販売台数が減少した。 連邦自動車産業会議所(FCAI)が発表した統計によると、乗用車、トラック、軽バスを含めたオーストラリアの11月の自動車新車販売台数は7万1,617台となり、前年同月と比べると22.2%減少した。 今年に入ってからの累計でも、前年同期の93万5,654台より2.9%減っている。 
  FCAIのアンドリュウ・マッケラーCEOは、「世界的な金融危機により、消費者が新車の購入に慎重になっているのは明らかである。 しかし、最近の金利の引き下げは追い風となっており、今後のマーケットの回復を期待したい。 逆の発想をすると新車の購入を考えている人は、今後自動車価格が下がり買い時ではないか」と話した。 
  11月のメーカー別の新車販売台数はトヨタが1位でマーケットシェアー 24.4%、ホールデンが13.6%で2位、フォードは10.1%で3位となっている。 今年に入ってからの累計では、トヨタが 21万9,984台、ホールデンが11万9,520台、フォードが9万7,216台となっている。 (Source: FCAI , 04/12/08 "Car Sales Fall Further In November"
12月10日2008年 除虫菊をオーストラリア本土で初めて栽培 − ビクトリア州

  タスマニア州に拠点を置く除虫菊の生産者Botanical Resources Australia(BRA)社は、来年ビクトリア州で除虫菊を栽培する準備をしている。 現在オーストラリアで除虫菊を栽培しているのはタスマニア州だけで、自然の除虫菊を使った殺虫剤産業は成長している。 
  同社のイアン・フォルダー社長は、「我社としては、今後4年間で除虫菊の生産量を2倍にする計画で、ビクトリア州Ballaratの数百ヘクタールの畑に除虫菊を植え付ける予定にしている。 今後もタスマニアからの供給を増やしていくが、我々の拡大計画ではタスマニアだけでは不十分である。 例えは、タスマニア州南部の多くの農家たちは、ほかの作物の栽培を考えており、我々に一定量の除虫菊を供給する保証は出来ないとしている」と話した。 (Source: ABC, 05/12/08 "Pyrethrum industry heads to mainland Australia")

12月10日2008年 豪産牛皮の価格が大幅に下落

  もし会社から解雇を言い渡されたら、誰が新しい革靴や皮のコートを買うだろうか? 世界的な金融引き締めにより、オーストラリア国内の牛皮市場が打撃を受けている。 豪ドルが下落して輸出には追い風であるが、世界的な牛皮の需要減退に対しては役に立っていない。 
  家畜エージェントのスチュワート・スミス氏は、「牛の副産物の価格が急落しており、特に牛皮の価格は以前と比べて5分の1に下がった。 牛皮やその他の牛の副産物すべての価格が、この数週間で急落した。 牛皮は以前50ドルであったが、今は10ドルである。 世界中で牛皮の在庫が大量に増えており、新たに販売できずにいる。 今は世界市場に牛皮を買う資金がなく、オーストラリアの牛皮輸出業者は、どこに売ればよいのか?、どうすれば収入になるのかに頭を痛めている」と話した。 (Source: ABC, 05/12/08 "Cattle skin market in trouble")

12月10日2008年 豪産ワインにポートやシェリーなどの名前が使えなくなる

  最初はシャンパン、今度はオーストラリア産のフォーティファイド・ワインに”ポート”や”シェリー”などの名前を付けないようにと要求するヨーロッパに、オーストラリアは合意した。 昨日署名されたヨーロピアン・ユニオンとオーストラリアとの合意書では、ヨーロッパの地名を冠した”モーゼル(Moselle)”、”バーガンディ(Burgundy)”、”ソーテルン(Sauterne)”、シャブリ(Chablis)”、”マサラ(Marsala)”などの名前ををオーストラリア産ワインに付けることが出来なくなる。 しかし、今回の合意でオーストラリア産ワインのヨーロッパ市場への門戸は開放された。 
  オーストラリアのワイン生産者は、すでにフランスで有名なシャンパンという名前を使わず、同様のワインをスパークリング・ワインなどと呼んでいる。 今回の合意によって、アデレード北部のバロッサ・バレーやビクトリア州中部のヒースコートのアルコール度数が高い赤ワインが、初めてヨーロッパに輸出することが可能となった。 
  昨年のオーストラリア産ワインのヨーロッパへの輸出額は13億ドルで、おもにイギリスに輸出されている。 オーストラリア ブランデー・ワイン公社のスティーブ・ガイ氏は、今回のEUとの合意で、オーストラリア産ワイン輸出の障壁がさらに緩和されたとしている。 ポートは本来ポルトガルの都市のPortoに由来しているが、今後オーストラリア産ポートは、TawnyかClassicかVintageなどと呼ばれる可能性が高いが、シェリーについてはまだ決まっていない。 .(Source: Australian, 03/12/08 "'Port' and 'sherry' out as Canberra signs wine deal with EU")

12月10日2008年 日本の輸入検疫が変更されチェリーの輸出増を期待−タスマニア州

  日本の輸入検疫条件の緩和により、タスマニア州のチェリー産業は、今シーズン数百トンのチェリーを輸出できることを期待している。 日本政府農林水産省は、害虫であるコドリンガのトラップ調査(誘引剤等を用いた対象害虫の捕獲調査)、生果実調査、輸出検査を組み合わせた検疫措置を行なうことを条件として、タスマニア州からのチェリーに対して入国時の燻蒸消毒措置を免除する決定を行なった。 燻蒸消毒は費用が高く、チェリーの鮮度保持期間が短くなり、今回の決定はタスマニア州のチェリー生産者にとって喜ばしいものになった。 
  タスマニア果実生産者協会のルーシー・グレッグ氏は、「すでに生産者12戸とパッキングハウス7戸が、日本への輸出に登録している。 タスマニア州は大幅なチェリーの輸出増に期待している。 我々の生産量が増えているので、市場を開拓する必要がある。 輸出が増えることによって国内マーケットに影響を与え、国内価格も上がっていくことになる」と話した。 (Source: ABC, 02/12/08 "New export rules to boost cherry exports to Japan")

12月03日2008年 ロブスターの生息数が激減 − 西オーストラリア州

  西オーストラリア州のロブスターの幼生の数が公式に過去最低と発表され、地元のロブスター漁師はさらなる漁獲割り当て枠の引き下げに直面している。 
  同州のバーネット政府は、最近発表した22%の漁獲枠の引き下げの上に、昨日15%の新たな引き下げと日曜日の禁漁を発表した。 来年にはさらなる15%の引き下げが予想されている。 パース北部300キロにあるLeemanのロブスター漁師ダレン・ワス氏は、「今は食べていくだけがやっとである。 ロブスターを獲るカゴをいくつか貸し出して収入を得ている状態である。 もし我々が小規模の漁師であれば、すでに廃業に追い込まれることになり、事実いくつかの小規模な漁師は廃業している」と話す。 
  漁業省の調査で、西オーストラリア州沿岸にいるロブスターの幼生の数が、調査を開始してから40年間で最低のレベルとなっているとしている。 一部の海域では幼生が確認されておらず、これは2−3年後に幼生が大きくなって戻ってくる可能性が非常に少ないということである。 Jurien Bayのロブスター漁師スティーブ・マックリアリー氏は、「資源を守るためにロブスターの幼生は保護しなければならない。 しかし、今後2−3年に、我々の2−3億ドルのロブスター産業は非常に厳しい状況に直面する。 我々が何も出来ないのがまったく災難である。 私はロブスター漁師を34年間続けているが、今後最悪な年がやってくる。 来年の漁獲量は平均以上になる見込みであるが、その後は劇的に落ち込む」と話した。 (Source: Australian, 02/12/08 "West Australian lobster prices jump as stocks dive")

12月03日2008年 南オーストラリア州政府は遺伝子組み換え作物に反対

  南オーストラリア州政府は、地方第一次産業局(BRS:Bureau of Rural Sciences)が遺伝子組み換え操作を行なったカノーラがより農業の安定化につながるとしているが、遺伝子作物の禁止措置は継続していくと発表した。 地方第一次産業局は、遺伝子組み替え操作した作物は、害虫や雑草の管理がしやすく、作物の収穫量を増加させることになるとしている。 
  これに対し、同州政府のロリー・マックイーウェン農相は、「遺伝子組み換え作物は、ワイン業界などの産業に対して、環境に優しいというイメージを損なうリスクが非常に高い。 南オーストラリア州の人々は、声を大にして、また明確に今の禁止措置を継続を望んでいると私は思っている。 我々が遺伝子組み換え作物を栽培し始めたら、市場でリスクに対する非常に大きな反響が出る。 特にワイン産業は、南オーストラリア州で最も重要な輸出産業のひとつで、それらの人たちは、清潔で環境に優しいイメージを望んでいると話している」と話した。 (Source: ABC, 01/12/08 "SA says no to GM crops") 

12月03日2008年 サーモン養殖大手タサール社が豪州最大の孵化場を建設中 

  オーストラリア最大のサーモン養殖業者タサール社が、2015年までにサーモンの生産量を今の2倍にする計画をしている。 この計画を実行するために、同社は現在タスマニア州南部に1,800万ドルをかけてサーモンの孵化場を建設している。 同社は6年前に管財人の管理下に置かれたことがり、それから事業を建て直し、今は増え続けている需要に対応するために生産を増やしている。 この7,000uの新しい孵化場の建設工事は、ホバート南部のRanelaghで始まっている。 この孵化場が完成すると、年間400万匹のサーモンの稚魚が生産できる。 
  タサール社のエンジニア部門のゼネラル・マネージャーのジャスティン・オコナー氏は、「この新しい孵化場はオーストラリアで最大の規模で、世界的な基準にも対応できる。 この孵化施設は最新式で、従来の孵化施設と比べると、使用する水が50分の1で済む」と話した。 この新しい孵化場で育ったサーモンの稚魚がタサール社の養殖場に移されるのは2010年3月になる。 (Source: ABC, 25/11/08 "Big salmon hatchery underway")

12月03日2008年 日本たばこの豪子会社が管財人の管理下に − クイーンズランド州
  投資会社への身売り交渉が決裂した後、クイーンズランド州で象徴的な食肉加工会社ハンズ社がVoluntary Administration(任意管理)の手続きを行い、管財人の管理下に置かれることになった。 管財人は消費者に対して、今後も同社を支援して、クリスマスには同社の製品を購買するように望んでいる。 
  管財人となったKordaMentha社は、クイーンズランド州で働く1,400人の従業員の雇用は守るとしている。 KordaMentha社のマーク・メンサ氏は、「新しいオーナーが決まるまで、事業は通常通り行なわれる」と話す。 
  ハンズ社は、オーストラリアでの大手ハム・加工肉の会社の1社で、日本の日本たばこ産業 (JAPAN TOBACCO INC.) が所有している。 先月、日本たばこ産業はUKの投資会社Anchorage Capital Partners社へのハンズ社の売却交渉を打ち切ったところであった。 Anchorage Capital Partners社は、近々に世界的な食品メーカーのハインツ社に売却されるであろうゴールデン・サークル社の株式も所有している。 ハンズ社は、クイーンズランド州Kingaroy地区に豚肉の処理場とベーコン工場を持つ、オーストラリアで第二位の豚肉生産者であるSwickers社の過半数の株式も保有している。 (Source: Courier-Mail, 28/11/08 "Hans smallgoods goes into voluntary administration")
12月03日2008年 バクテリア菌による養殖ヒラマサへの被害 − 西オーストラリア州

  西オーストラリア州沖の養殖場で、養殖しているヒラマサの約半分がバクテリア菌による感染の犠牲となった。 すでに1万5,000匹のヒラマサが死に、このバクテリアの感染を抑えるまで、さらにヒラマサの被害が広がると見られている。 この養殖場の役員たちは現在メディアの取材を拒否している。 
  しかし、西オーストラリア州養殖カウンシル( Aquaculture Council of Western Australia)のマックス・ボール会長は、「雨降って地固まる。 西オーストラリア州のヒラマサ養殖事業にかかっている黒い雲のなかに、明るい日差しがあるかもしれない。 ほかの養殖会社は、もちろん事態を注意深く見ている。 見ているのは専門的な見地だけで、投資をやめるなどの観点については心配していない。 彼らは今までの経験上から、今回の事態についてどのように対処するか、そして今後改善する方法を学ぶために、事態を見守っている」と話した。 (Source: ABC, 25/11/08 "WA kingfish stocks hit by disease")

12月03日2008年 日本の景気後退は豪産マンゴの輸出には問題なし